情報リテラシー

本資料は情報リテラシーの習得を目的としているため、まず情報リテラシーの定義を説明する。

総務省著通信白書では、情報リテラシーを以下のように定義している。

(1) 情報リテラシーの定義

ア 情報リテラシーの定義
 情報リテラシーの定義には、情報機器の操作などに関する観点から定義する場合(狭義)と、操作能力に加えて、情報を取り扱う上での理解、更には情報及び情報手段を主体的に選択し、収集活用するための能力と意欲まで加えて定義する場合(広義)がある。

イ 「通信白書」における情報リテラシー
 本白書においては、「デジタルネットワーク社会」に適応するために必要な能力という観点から、情報リテラシーを広義の意味において使用することとする。
 さらに、情報リテラシーについて、その使用できる機器のレベルに応じて、情報基礎リテラシー、PCリテラシー(PC活用能力)、ネットワークリテラシー(ネットワーク活用能力)の3層としてとらえることとする(第1-3-1図参照)。

講義では情報基礎リテラシーPCリテラシーネットワークリテラシーのすべてを扱うことはせず、情報基礎リテラシーを重点として扱う。
情報基礎リテラシーは、その名の通り情報を扱うための最も基礎的なリテラシーであり、まずこれを身につけることが求められるためである。

情報基礎リテラシーとは

情報基礎リテラシーは、インターネットに限定されず、様々な情報(データ)を対象に、情報を探し出す能力、正しい情報なのかを確認する能力、情報を適切に活用する能力、情報をわかりやすく発信する能力を指している。
これらのスキルは現代社会において欠かせない。
このスキルが欠けると、以下のような不利益がある。カッコ内は特に聴覚障害者に生じがちと考えられる不利益である。

  • 情報が得られず、日常生活において不利益を被ることがある(情報保障のテクニックが得られない)
  • 正しい情報か精査できず、誤った情報に踊らされることがある(入手した情報の価値が有益か判断できない)
  • 情報を適切に活用できず、自分の立ち位置を分析することができない(客観的な思考ができず、相手の視座に立った説明ができない)
  • ポイントを絞った発信ができず、自分の意見を理解してもらえない(コミュニケーションにギャップが生じやすくなる)

そのため、本資料で解説する内容は、聴覚障害者自身が生活の質を向上させることを意識しながら理解を深めていくと、より効果的である。

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